道を買ったけど、登記をしていなく、第三者にわたってしまった話

これは、わたしのお義父さんの話となります。

最近、お義父さんの住宅の後ろの方が退去されました。その建物は築年数も経っていたので、取り壊しを予定しているのでしょう。業者がたびたび訪れるようになりました。そして、ちょっと境界トラブルのニオイがする案件になりました。

昔(おそらく60年ほど前)、その当時はお義父さんの住んでいる家の土地は借地でした。

登場人物は下のようになります。本当はもっと登場人物がでてきます。話をシンプルにするために少しアレンジしています。

  • Aさん(地主)
  • Bさん(競売落札者)
  • お義父さん(その親戚一同)

Aさんは大地主です。お義父さんの家がある、その一帯はAさんの土地です。

[speech_balloon_left1 user_image_url=”https://piece-okinawa.com/wp-content/themes/muum_tcd085/img/common/no_avatar.png” user_name=”お義父さん”]奥に親戚の家が2件あって、そこまで車が通れるようにしたいな。自分の家の前の道を広げたら、奥まで車を通せるようになるのだけど、どうにかできない?[/speech_balloon_left1]

[speech_balloon_right1 user_image_url=”https://piece-okinawa.com/wp-content/themes/muum_tcd085/img/common/no_avatar.png” user_name=”Aさん”]それだったら、自分の家の前から親戚の家までの道を買ってよ。[/speech_balloon_right1]

[speech_balloon_left1 user_image_url=”https://piece-okinawa.com/wp-content/themes/muum_tcd085/img/common/no_avatar.png” user_name=”お義父さん”]わかった。ありがとう。でも、一人ではお金を準備できないから奥の親戚と一緒にお金を出し合って道を買うね。[/speech_balloon_left1]

そして義父さんは周辺の親戚と一緒に共同で道を買いました。ちなみに、お義父さんはB円で買ったと言っています。10万円ぐらいだったと言っていますが、真相はわかりません。昔だからでしょうか。登記をしませんでした。これがのちほど問題になります。

そして時は経ち、Aさんの諸事情でその一帯を競売にだすことに。

それをBさんが購入しました。

[speech_balloon_left1 user_image_url=”https://piece-okinawa.com/wp-content/themes/muum_tcd085/img/common/no_avatar.png” user_name=”Bさん”]あの人(お義父さんの家の後ろの人)が退去したから、築年数も経ってるし、家を建て替えようかな。2項道路でセットバックしなきゃいけないし、そこまで車が通れるほどに道を広げたいな。そうだ!あそこのお宅(お義父さん)のブロック塀が私有道路(私の土地)に越境しているから、それをどうにかしよう!あと、この電柱も邪魔になるな。[/speech_balloon_left1]

[speech_balloon_left1 user_image_url=”https://piece-okinawa.com/wp-content/themes/muum_tcd085/img/common/no_avatar.png” user_name=”Bさん”]ちょっと、お義父さん!この道のブロック塀は私の土地に越境しているよ。車を後ろの家まで通せるようにしたいから、そのブロック塀を壊させてよ。でも、ブロック塀を壊すとお義父さんの敷地が丸見えになっちゃうから、ちゃんとした境界にブロック塀を作り直してあげるよ。その費用は全部私が持つから。ついでに、この電柱も敷地の中に入れてくれないかな?[/speech_balloon_left1]

[speech_balloon_right1 user_image_url=”https://piece-okinawa.com/wp-content/themes/muum_tcd085/img/common/no_avatar.png” user_name=”お義父さん”]なぜ、ブロック塀を壊されなきゃいけないの?そこの道は昔、私たちがAさんから買ったのに?越境しているってどういうこと?[/speech_balloon_right1]

面白くないのはお義父さん。買ったはずの土地なのに、ブロック塀を壊す話が突然舞い込んできました。

お義父さんはBさん(第三者)に対し、「この土地は私のものだ」と主張できるの?

お義父さんは昔、Aさんから土地を買っています。その時、登記をしていませんでした。そして時がたち、その土地はBさんが競売で土地を取得しています。これは二重譲渡にあたります。

二重譲渡の対抗要件は「登記」となります。今回の場合、お義父さんは登記をしておらず、Bさんが先に登記をしました。そのため、お義父さんはBさんに「私の土地だ」と主張できません。

現在は売買による所有権の移転登記は必ず行っているはずです。

今回の事例は、昔の個人間による売買だったので、おそらく登記しなければいけないということを誰もわかっていなかったのかもしれません。お義父さんも「最近、登記をしなきゃいけないことを知った。」と言っていました。

もしかしたら時効取得を主張できたかも

ちなみに今回、Bさんからその話が来る前に、Bさんの依頼で土地の境界を確定する測量を行いました。そして、ハンコを押して筆界確定をしました。もしかしたら、ブロック塀が越境している土地は時効取得できた可能性があります。

しかし、その土地でのトラブルはあまり意味がありません。

なぜなら、お義父さんの家も、建て替えの際にはセットバックをしなければいけません。ブロック塀のある土地が、Bさんのものであろうと、お義父さんのものであろうと、道になるのは時間の問題だったのです。どうせ道として取られる土地なら、ご近所と喧嘩をしてもいいことはありません。素直に筆界確定をしました。(Bさんは内心、時効取得を主張されるのではないかと、ヒヤヒヤしていたのではないでしょうか。)

今回、お義父さんの土地内に電柱の移動ができないのであれば、車を後ろの土地まで入れることができません。Bさんとしてはブロック塀を壊しても、電柱をどうにかしないと意味がないはずです。

おそらくこの話は立ち消えするでしょう。相手からは連絡がこなくなっているそうです。

意外に近くに宅建試験にでそうな事例を抱えた人がいました。

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