まずは症状を管理会社に連絡しましょう
連絡せずに入居者の判断で処置。実はこの後とんでもないことに…。
ピエスは那覇市で不動産の賃貸管理・建物管理も行っています。そのため、年に数件、管理物件にお住まいの方から、鍵の動きが悪くなったと連絡があります。管理会社ですので、可能な限り早く対応に伺って手直しをします。
しかし、過去に建物の管理会社に連絡なく、ご自身で潤滑剤「WD-40」を使用して鍵の滑りをよくした方がいました。よかれと考えてやったのでしょうが、これはNGな行為です。知識があろうとなかろうと、管理会社に必ず連絡を入れてから対応するようにしてください。
シリンダー専用のスプレーがあるのはご存じですか?
管理会社も最初に試してみるのは潤滑剤です。潤滑剤といっても色々な種類があり、一般的によく使用するのは「WD-40」「KURE 5-56」です。入居者の方も同じ考えで「WD-40」を使用したのだと思います。
「WD-40」「KURE 5-56」は”鉱物油”が使用されています。この油が機械の動きをスムーズにします。


しかし、ディンプルキー等のカギは精密に作られていて、ゴミがとても苦手です。そのため鉱物油を使ってしまうと、その油にゴミが付着し、鍵の動きが悪くなります。最悪の場合、鍵が抜けなくなったり、ドアが開かなくなったりします。
そこで、ディンプルキー等の鍵穴には「専用」のカギ穴スプレーを使用します。強調しますが「専用」のスプレーがあります。
ちなみに「専用」スプレーはいろいろな会社が出していますが、沖縄のホームセンターで簡単に手に入るのは下の商品です。僕らもお世話になっています。もちろん、「WD-40」「KURE 5-56」もお世話になっています(笑)

WD-40を吹きかけた入居者のその後…
ある日、その入居者から鍵の動きが悪いと連絡が入りました。そして、立て続けに同じフロアーの方から連絡が。しばらくすると、そのフロアー全室から鍵の動きが悪いと連絡がきてしまいました。
何かおかしい?
その当時で築15年ぐらいの賃貸アパートでした。数室はそのようなことが起きるかもしれません。しかし、同じ階の全室となると話が違います。
詳細な話を聞いて回ると、その入居者の方が「WD-40」を全室に吹きかけたと(別の入居者の方が)カミングアウトしました。
今であれば「鍵穴クリーナー」という商品があるので、それを使えばきれいにできるのかもしれません。しかし、その当時はそのような商品はありませんでした。結局、全室のカギシリンダーを交換をすることになりました。
交換費用は「WD-40」を吹きかけた入居者に請求ということになります。しかし、築年数を考慮し、家主様が全額負担すると申し出てくれました。おそらく、家主様は今の入居者が嫌な思いをして退去されるより、この後もずっと気持ちよく住んでもらった方が、費用効果がいいという判断をしたのだと思います。
賃貸アパートの補修は知識あるなしに関わらず管理会社に連絡を
正直、知識のある方が適切な処置をしてくださるのは、管理会社としてはとても感謝する事案です。ただそれでも、管理会社には1本連絡をいただけると助かります。後日、お礼に伺うこともできますし、管理記録にも記載ができます。
悲劇は知識がない方が良かれと思ってやってしまった行為です。親切のつもりが、その行為が原因で手直しの費用を請求されてしまう。正直、それに関わる全員が辛い思いをします。
皆様、賃貸物件の手直しはご自身で判断せず管理会社にご連絡ください。処置の仕方によっては責任を取らないといけなくなる場合があります。