借主負担?貸主負担?落書きをしてしまった壁紙貼り替え

不動産

落書きをしてしまった壁紙。壁紙の耐用年数を超えているけど、退去時に原状回復の費用負担を求められた。

これって本当に支払わないといけない費用?

結論から言うと、材料代(壁紙、パテ、糊など)は支払わなくていいですが、壁紙貼り替えにともなう工事費用(人件費、経費など)は支払わなくてはいけません。

壁紙の落書き

原状回復は3パターン

原状回復費用の負担を考える場合は下の3つのパターンを考えます。

ここでは壁紙を例にして話をすすめます。壁紙の耐用年数は6年です。

1.壁紙が日焼けなどの経年劣化、通常損耗によるの場合

借主の費用負担はありません。

2.耐用年数以内の壁紙に、借主が傷をつけてしてしまった場合

借主の費用負担が発生します。材料の残存価値の代金と壁紙貼り替えにともなう工事費用の負担が必要です。

3.耐用年数を過ぎた壁紙に、借主が傷をつけてしてしまった場合

借主の費用負担が発生します。材料代は負担しなくていいですが、壁紙貼り替えにともなう工事費用の負担が必要です。

改正民法621条の内容

改正民法621条は下の通りです。

【改正民法621条】(賃借人の原状回復義務)賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年の変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

簡単に説明すると「入居後に入居者がつけてしまった傷は、退去時にその傷を原状に戻さないといけないよ。ただし、経年変化、通常損耗については入居者は負担しなくていいですよ。」ということを書いています。

すこし強調しますが、ここでは耐用年数には触れていません。

原状回復ガイドラインの内容

国土交通省が出しているガイドラインには耐用年数に触れた内容が記載されています。

なお、経過年数を超えた設備等を含む賃借物件であっても、賃借人は善良な管理者として注意を払って使用する義務を負っていることは言うまでもなく、そのため、経過年数を超えた設備等であっても、修繕等の工事に伴う負担が必要となることがあり得ることを賃借人は留意する必要がある。具体的には、経過年数を超えた設備等であっても、継続して賃貸住宅の設備等として使用可能な場合があり、このような場合に賃借人が故意・過失により設備等を破損し、使用不能としてしまった場合には、賃貸住宅の設備等として本来機能していた状態まで戻す、例えば、賃借人がクロスに故意に行った落書きを消すための費用(工事費や人件費等)などについては、賃借人の負担となることがあるものである。

国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版) 平成23年 8月 ー Ⅱ 契約の終了に伴う原状回復義務の考え方 ー 3 賃借人の負担について ー (2) 経過年数の考え方の導入 ー ① 経過年数

簡単に説明すると「その設備の耐用年数が超えていても、入居者がつけた傷は修繕費の負担が必要になる場合がありますよ。」ということが書いています。原状回復の義務ではなく、修繕費の負担となっています。

改正民法621条と原状回復ガイドラインの内容からわかること

改正民法621条と原状回復ガイドラインからわかることは、「入居者がつけてしまった傷は、耐用年数に関係なく修繕費を負担する必要がありますよ。ただし、経年変化、通常損耗については入居者は負担しなくていいですよ。」となります。

壁紙貼り替えの見積りを項目ごとに費用負担をわけてみる

例えば、壁紙貼り替えで下のような見積り金額がでたとします。

左の列に「貸主負担」「借主負担」がわかるようにしてみました。

負担No項目数量単価金額
借主1壁紙剥がし1式6,000円6,000円
借主2壁紙処分費1式1,000円1,000円
貸主3壁紙10m500円5,000円
貸主4諸雑費(パテ、糊など)1式3,000円3,000円
借主5壁紙貼り作業費1人工15,000円15,000円
借主6経費1式3,000円3,000円
合計33,000円

No.3とNo.4は「材料代にあたる費用」になるため貸主の負担。その他の費用は「貼り替えにともなう工事費」にあたるため借主の負担となります。

落書きをしてしまった壁紙の貼り替え費用の負担

落書きは借主の責めに帰する事由にあたります。耐用年数が過ぎた壁紙であっても、貼り替え費用の負担が生じてしまいます。ただし、材料代は貸主の負担となります。

もし、管理会社から壁紙貼り替え費用全額の負担を求められた場合は、国土交通省原状回復ガイドラインをもとに相談をしてみましょう。

原状回復の費用発生のポイント

結局、費用負担の発生は「借主の責めに帰する事由があるか」がポイントとなります。

借主の責めに帰する事由がある場合、設備の耐用年数関係なく、ある程度の原状回復費用が発生するものと考えておきましょう。

参考

賃借人の原状回復義務/ 敷金に関するルール – 国民生活センター

賃貸借契約に関する民法のルールが変わります – 法務省

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版)

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